ワンダーフールズ第5話・第6話では、チェニの命に結びついていた過去と、ウンジョンが抱え込んでいた事情がはっきり表に出てきます。オーロラの場面で少し近づいた空気も長くは続かず、永遠救済教会とハウォンド研究所の動きが強まるにつれ、まとまりかけていた4人の関係にもずれが生まれていきます。軽さのあるやり取りが続く中で、急に重たい選択が突きつけられる流れが印象に残る回でした。
ワンダーフールズ:第5話あらすじ
オーロラの下で倒れたチェニは、ウンジョンの呼びかけの中で再び意識を取り戻す。死んだように見えた相手がまた目を開けたことで、ウンジョンは強く揺れる。だが安堵した次の瞬間、今度はウンジョンのほうが力を使い果たしたように崩れ、チェニの腕の中で意識を失ってしまう。
チェニは廃棄場へ戻り、そこで倒れているロビンを見つける。パルホとぶつかったロビンもかなり消耗していて、チェニはその姿を前に息をのむ。
その頃、ホランは傷を負ったパルホをからかうように見ていた。パルホの腕の異常は広がり、思うように動かせなくなり始めている。ジュランは二人をなだめるが、ホランの中には幼い頃にウンジョンと心を通わせた記憶がよみがえる。
チェニとロビンはウンジョンを家へ運び、ベッドへ寝かせる。手当てをしようとした二人は、ウンジョンの体に多くの傷が残っていることに気づく。チェニは何も言えず、その跡を見つめる。
ギョンフンとロビンは、ウンジョンに必要な薬を買いに出る。二人は、パルホが欠陥変異体を狙っていることを話し、自分たちもいずれ命を狙われるのではないかと不安を強める。
一方、ジュンモはジョンボクに、廃棄場で起きた出来事を伝える。チェニが何も説明しないことに納得できず、自分でヘソン市の異変を追うと決める。廃棄場へ向かったジュンモは、そこで血の跡を見つけ、疑いを深める。
その夜、チェニは眠るウンジョンのそばに残る。うなされるウンジョンは、眠りの中で母親を呼ぶ。チェニはその声を聞き、そっと彼を落ち着かせる。
同じ夜、ジョンボクはチェニが家を抜け出そうとしていることに気づく。止めようとするが、チェニはそのままウンジョンの部屋へ向かう。やがて目を覚ましたウンジョンは、チェニが薬や必要な物を置いていったことを知る。
翌日、チェニ、ギョンフン、ロビンは市役所でウンジョンを待つ。ウンジョンは顔を見せるとすぐ去ろうとするが、三人はあとを追う。チェニはウンジョンへしがみつき、自分たちはチームとして一緒に動くべきだと訴える。
その様子をホランが見ていた。ホランは、ウンジョンがチェニたちと近づいていることに強く反応する。彼女の中には、昔のウンジョンへの思いがまだ残っていた。
ウンジョンは三人を、かつて自分が使っていた秘密の訓練場所へ連れて行く。チェニ、ギョンフン、ロビンは、それぞれの能力を意識して出せるよう練習を始める。チェニは心拍数を上げ、ギョンフンは何に反応してくっつくのかを確かめ、ロビンは感情を揺らして力を出そうとする。
だが訓練の途中で、ホランが突然現れる。ホランはチェニ、ギョンフン、ロビンを幻覚の中へ閉じ込める。三人が混乱する中で、ホランはウンジョンへ「永遠の心臓の子」のことを問い詰める。
ウンジョンはホランと手を組むことを拒み、能力を使って三人への幻覚の支配を止める。ホランは怒りをにじませ、その場を去る。
その夜、ウンジョンはチェニへ「永遠の心臓の子」の話をする。その子は死ぬことができない存在だったと説明し、チェニもまた同じ力を持っているのではないかと話す。そして、幼い頃に心臓移植を受けたことがあるかと尋ねる。
チェニは最初、その話をまともに受け止めない。だがウンジョンは、ジョンボクがハウォンド研究所の実験に関わっていたことを示す。チェニは家へ戻り、祖母へ心臓移植のことを問いただす。
そこでジョンボクはついに真実を明かす。ハウォンド研究所の火災のあと、「永遠の心臓の子」は重い脳の損傷を負ったが、心臓だけは動き続けていた。その子はやがて亡くなり、末期状態だったチェニへその心臓が移植されたのだという。
チェニは大きな衝撃を受ける。過去の新聞や記録を調べると、孤児の子どもたちが実験対象にされていたことが見えてくる。チェニは、自分の命がその子たちの犠牲の上に成り立っているのではないかと考え、苦しむ。
ウンジョンは外にいるチェニを見つけ、静かにそのあとを追う。チェニは、今起きている事件や犠牲の原因が自分なのではないかと自分を責める。ウンジョンは無理に答えを与えず、ただそばにいる。
一方、ジョンボクはジュンモと廃棄場の件を話し合う。チェニへ真実が伝わったことで、ジョンボク自身もまた大きく揺れていた。
翌日、ウンジョンはチェニを案じ、ギョンフンとロビンに彼女の居場所を尋ねる。その夜、チェニはウンジョンの部屋を訪ねる。ウンジョンはチェニへ食べ物を出し、そのあと二人でコンビニへ向かう。
帰り道、チェニは心臓移植のことを話す。ウンジョンは、自分で選べなかったことまで全部背負わなくていいと伝える。チェニはその言葉を聞くが、すぐには整理できない。
ロビンはジョンボクから預かった食べ物をチェニへ届ける。チェニはそのやさしさの前で泣き出す。ジョンボクも食堂へ戻る途中で涙をこらえきれなくなる。
やがてチェニは家へ戻る。ジョンボクは彼女を迎えるが、チェニはまだ許せない。二人とも、これから長い時間をかけて償うしかないと告げる。
そのあとチェニとロビンは、ウンジョンの許可もないまま彼の部屋へ住み込み始める。翌日、ウンジョンは三人を再び訓練場所へ連れて行き、チェニへは心拍数を上げるためカフェインを飲ませる。
チェニは実際にいくつもの場所へ瞬間移動することに成功する。まだ行き先も戻り方も不安定だが、力の出し方は少しずつ見えてくる。
チェニはウンジョンの手をつかみ、一緒に海辺へ飛ぶ。突然の移動にウンジョンは驚くが、チェニは少し得意げに笑う。そのあとチェニはウンジョンを置いて先に戻り、ロビンとギョンフンと一緒にウンジョンの誕生日サプライズを準備する。
夜、チェニはウンジョンの誕生日ケーキを買いに出る。そこへウンジョンも現れ、二人は並んで話す。チェニはウンジョンの母親について尋ねる。ウンジョンは、自分に本当に母親がいたのかさえ分からないと打ち明ける。
チェニはウンジョンへ、自分はいつもそばにいると伝える。ウンジョンはその言葉を聞き、静かにチェニを見る。
だがその次の瞬間、ウンジョンはチェニへ薬を注射する。チェニは意識を失い、ハ・ウォンド側の者たちに連れ去られる。
その後、ウンジョンはウォンドへチェニの能力について知っていることを話す。チェニの瞬間移動は心拍数と関係していると説明するが、カフェインで発動を助けられることだけは伏せる。
ワンダーフールズ:第6話あらすじ
朝からギョンフンは、ハ・ウォンドの教会のような商売を自分たちも始めれば金になるのではないかと軽口を叩いていた。ロビンは仲間のために食事を作っていたが、ギョンフンはすぐチェニのことが気になり、母親へ話しに外へ出る。
外へ出たギョンフンは、チェニが何者かに連れ去られるところを目撃する。さらに、ウンジョンがチェニの能力について相手に話しているのを聞いてしまう。ギョンフンは、ウンジョンが本当にチェニをウォンド側へ渡したのだと知る。
同じ頃、永遠救済教会では、パルホが信者たちの前で奇跡のような演出を見せていた。歩けなかった男性が歩けるようになったように見せると、信者たちは驚き、次々と寄付をする。教会は信仰の場というより、ウォンドの研究と資金集めのために動いていた。
ジュンモはジョンボクへ、ウォンド側の人間が教会を運営していると伝える。そこが危ない場所だと話し、チェニの周囲で起きていることに警戒を強める。
一方、ホランはパルホの腕の状態を気にしていた。異常は広がり続け、悪化しているように見える。ホランはそのことをウォンドへ伝えようとするが、近づく前に止められる。
その頃、ウォンドはチェニを手術台へ乗せていた。医師たちへ麻酔を指示し、チェニの体から永遠の心臓を取り出そうとする。チェニは眠らされたまま手術の準備を進められる。
だがチェニは途中で目を覚ます。逃げようとした時、ポケットの中にコーヒーの小袋が入っていることに気づく。それを飲んで心拍数を上げると、瞬間移動が発動し、チェニは研究所から姿を消す。
ウンジョンは自宅で一人、ウォンドへ協力した時のことを思い出していた。ウォンドは、ウンジョンの母親に関する情報を渡す代わりに、永遠の心臓の子を取り戻す手伝いをしろと迫っていた。ウンジョンはその弱みを握られ、チェニを渡すしかなかった。
そこへチェニが突然、ウンジョンの部屋に現れる。チェニは怒りをぶつけ、なぜ自分を裏切ったのかと迫る。そして、ウォンドと研究者たちを止めるため力を貸してほしいと訴える。
ここで、ウンジョンがチェニへ注射をする前、彼女の上着のポケットへひそかにコーヒーを入れていたことが分かる。ウンジョンはチェニをウォンド側へ渡しながらも、逃げるための手段だけは残していた。
チェニはウンジョンへ助けを求めるが、まだ能力をうまく扱えない。次の瞬間、チェニはまたハウォンド研究所へ戻ってしまう。ウォンドは彼女を気絶させ、もう一度手術台へ戻す。
チェニが半分意識を取り戻すと、ウォンドはジョンボクも自分と同じ罪を背負っていると話す。そして大義のために命を差し出せと迫る。チェニは抵抗しようとするが、逃げ場はない。
別の場所では、ギョンフンが家族を避難させようとしていた。チェニが連れ去られるのを見たことで、自分の家族も危ないと考えたからだった。だが妻はギョンフンの話を信じず、まず警察へ通報すべきだと言う。
さらにギョンフンは、妻が永遠救済教会から大口の花の注文を受けていたことを知る。教会の影が自分の家庭にまで入り込んでいたと分かり、言葉を失う。
研究所では、ホランがチェニへ能力を使う。チェニは、自分が犠牲になればウンジョンのためになると思い込まされていく。自分の死が誰かを救うならと考え始め、危うい状態へ追い込まれる。
翌朝、ジョンボクは外出の準備をする。出かける前にロビンへ、チェニのために食べ物を残しておくよう頼み、必ずチェニを連れて帰ってほしいと伝える。
そこへギョンフンが来て、ロビンへチェニが連れ去られたこと、ウンジョンが裏切ったことを知らせる。ロビンは激しく怒り、すぐにチェニを助けに行くべきだと叫ぶ。
学生時代、ロビンはいじめられていた。そんなロビンを守ったのがチェニだった。ロビンにとってチェニは、ただの友人ではなく、自分を初めて守ってくれた相手だった。
ジョンボクはナム・ソンギュの家を訪ね、彼が病院へ入ったのではないかと考える。そのあとジュンモから、ソンギュは実際には永遠救済教会にいると知らされる。
市役所では、ウンジョンが辞職したことが伝わる。ウンジョンは部屋を片づけていた。そこへロビンが乗り込み、怒りのままウンジョンへ向かう。二人は能力を使ってぶつかるが、ロビンがギョンフンからの電話に気を取られた隙に、ウンジョンがロビンを気絶させる。
その直後、ウンジョンはジョンボクから電話を受ける。ジョンボクの家を訪ねたウンジョンは、チェニのバケットリストを読む。ジョンボクは、ハウォンド研究所でウンジョンに起きたことを謝り、チェニがどこにいるのか尋ねる。
ウンジョンはジョンボクを許せないと言う。それでも、自分がチェニを裏切ったのは母親の情報が欲しかったからだと認める。罪悪感に耐えきれなくなったウンジョンは、チェニを救うと決める。
そのためウンジョンはジョンボクへ、200人を集めてほしいと頼む。市役所のソグにも協力を求め、教会の地図を確認しながら地下への道と脱出経路を考える。
ロビンとギョンフンもウンジョンを追い、最終的に三人はチェニを助けるため教会へ潜入する準備に入る。
一方、ウォンドはチェニのDNAサンプルを使い、死んだネズミを蘇生させる。チェニの体には永遠の心臓に関わる再生の力があると確かめ、ウォンドはその力をソンギュに使おうとしていた。
パルホ、ホラン、ジュランは、「永遠の心臓の子」について話し合う。ウォンドが本当のことを隠しているのではないかと疑い始める。ジュランは能力でウォンドから答えを引き出そうとするが、操ることはできない。ウォンドはただ、自分を信じ続けろと告げる。
永遠救済教会の外では、ジョンボクが集めた人々による抗議が始まる。大勢の人が教会の前へ集まり、騒ぎは大きくなる。パルホ、ホラン、ジュランはその対応に追われる。
ジュンモはその混乱に乗じて、ウンジョン、ロビン、ギョンフンの潜入を助ける。その中で、自分も20年前、ウンジョンが起こした研究所火災によって実験から救われた孤児の一人だったと明かす。
教会へ入ったウンジョンたちは、警備を倒しながら地下へ進む。ロビンとギョンフンも力を使い、ウンジョンのあとを追う。
研究室では、ウォンドがナム・ソンギュを救うため、チェニへの手術を始めようとしていた。チェニは、自分がソンギュを生かすための犠牲にされるのだと理解する。操られていた気持ちが揺らぎ、チェニは死にたくないと拒む。
その瞬間、ウンジョンが研究室へ到着する。ウンジョンは能力でウォンドの手術器具を止め、チェニを救う。周囲の警備員はロビンとギョンフンが抑える。
チェニが意識を取り戻すと、ウンジョンは謝る。そしてチェニの心拍数を上げるため、彼女へキスをする。そのまま安全な場所へ瞬間移動してほしいと頼む。
だがそこへパルホ、ジュラン、ホランが現れる。三人はウンジョン、ロビン、ギョンフンへ向かってくる。
チェニは安全な場所へ逃げることもできた。だが仲間を置いていかない。チェニはみんなを助けるため、もう一度教会へ戻る。
感想
オーロラの下で目を開けたチェニを抱えるウンジョンの場面は、景色だけ見ればきれいなのに、まったく安心できないところが印象に残りました。距離が近づいたように見えたぶん、そのあとにくる不安も強く感じます。ウンジョンの体に残る傷をチェニが見る場面や、眠りの中で母親を呼ぶ声には、彼が長く一人で抱えてきたものがにじんでいて、簡単に信じきれないのに目を離せない空気がありました。
心臓移植の話を知ったチェニが、ジョンボクをすぐには許せないと言うところも残ります。ロビンが食べ物を届け、ジョンボクが食堂へ戻る途中で泣き崩れる流れは、守るための嘘だったとしても、受け取る側にはちゃんと傷として残るのだと感じました。
ウンジョンがチェニを手放した場面はかなり苦しかったです。それでも上着のポケットへコーヒーを入れていたと分かった時、彼の中にも最後の線は消えていなかったのだと思いました。キスで心拍数を上げる作戦まで出てくるのがこの作品らしくて、チェニが逃げずに仲間のもとへ戻る姿を見ると、この四人のつながりはもう簡単にはほどけない気がします。
