ワンダーフールズ第7話・第8話【最終回】では、永遠救済教会の地下で続いていた争いが、やがてヘソン市じゅうを巻き込む年越しの混乱へ広がっていきます。チェニの心臓をめぐる問題も、もう彼女ひとりの話では済まなくなり、1999年の終わりを迎える町全体へ重なっていきます。それぞれが抱えてきた後ろめたさや傷が表へ出る中で、4人が何を選ぶのかが最後まで大きく残る流れでした。
ワンダーフールズ:第7話あらすじ
チェニはそのまま遠くへ逃げることもできたが、ウンジョン、ロビン、ギョンフンを残したままではいられず、もう一度永遠救済教会へ戻る。地下では、ウンジョンたちがウォンド側の能力者たちと向き合っていた。
パルホはウンジョンたちを見下し、不完全な存在のように扱いながら攻撃を仕掛ける。ギョンフンは恐怖で足が止まりそうになるが、それでも逃げない。頼りない男のように見られてきた自分でも、人を見捨てるわけにはいかないと決める。
ロビンもチェニを守るため前へ出る。怒りと恐れで力は揺れるが、それでも相手へ向かっていく。ウンジョンも能力で応じるものの、パルホたちの攻撃は激しく、地下は一気に混乱していく。
戦いの最中、ウンジョンは過去へ引き戻される。研究所の火災、助けられなかった子どもたち、自分の力が暴走したあの日のことがよみがえる。パルホはそこを突き、ウンジョンをさらに追い詰める。
ウンジョンはその場で動けなくなりかける。チェニはそんな彼のそばへ行く。ウンジョンがずっと助けたかったことも、救えなかったことも抱えたままここまで来たのだと受け止める。チェニの言葉で、ウンジョンは少しずつ今の戦いへ戻っていく。
教会の外では、ジョンボクと町の人たちが抗議を続けていた。ジョンボクは、ただチェニを心配して待つのではなく、町の人々を動かして教会へ圧力をかける。研究所に関わった過去を持つ自分が、今度はウォンドを止める側へ立つ。
一方、ウォンドはチェニの血液から作った血清をナム・ソンギュへ投与する。ソンギュの体はすぐ反応し、一時的に若返ったように見える。だがその変化は長く続かず、やがて副作用に耐えきれず倒れてしまう。
その結果を見ても、ウォンドは止まらない。ソンギュの犠牲すら、これまでと同じように目的のための過程として片づける。チェニの中にある永遠の心臓を再現できないなら、もっと多くの人間を変異させればいいと考える。
パルホの体にも限界が近づいていた。腕から始まった異変は全身へ広がり、体は思うように動かない。それでもパルホはウォンドを信じ続けようとする。最後には自分たちを救ってくれると思ってきたからだった。
だが、その体は崩れていく。ジュランはその姿を見て強く揺れる。パルホはただの手下ではなく、同じ時間を生きてきた仲間だった。父のように信じてきたウォンドに、自分たちは結局使われるだけだったのではないかという思いがジュランの中に生まれる。
ホランもまた、ウォンドへ従いながら心が揺れていた。ウンジョンへの昔の思い、ジュランやパルホとのつながり、ウォンドへの執着が混ざり、簡単には整理できない。
それでもウォンドは、教会の混乱にもパルホの異変にも構わず次の計画へ進む。化学物質を空へ散らし、ヘソン市全体を汚染しようと考える。大勢を変異させれば、その中から新しい永遠の心臓を持つ存在が現れるかもしれないと見ていた。
町では、1999年最後の日に向けた大きな催しが近づいていた。多くの人が集まるその場は、ウォンドの計画に使われようとしていた。教会側は人の流れと混乱を利用し、ヘソン市全体を巻き込む準備を進める。
チェニは、自分の心臓だけが狙われているのではないと知る。ウォンドの狙いは、もう自分一人ではなく、ヘソン市の人々全体へ広がっていた。
ウンジョン、ギョンフン、ロビンも、目の前の戦いだけで終わる話ではないと気づく。ウォンドの計画が動けば、町そのものが実験場になる。チェニは自分の命を守るだけでなく、ヘソン市を守るために動かなければならなくなる。
ウォンドは、ヘソン市全体へ化学物質を広げる計画を進める。チェニ、ウンジョン、ギョンフン、ロビンは、能力者との戦いを越えて、町ごと巻き込まれるさらに大きな危機へ向かっていく。
ワンダーフールズ:第8話【最終回】あらすじ
1999年12月31日、ヘソン市では年越しの催しへ向けた準備が進んでいた。通りには人が集まり始め、町は新年を迎える空気に包まれていく。だがその裏で、ハ・ウォンドは化学物質を空へまき、ヘソン市全体を変異させる計画を動かしていた。
ジュランは能力を使い、警察や教会の信者たちを操る。町の人々は年越しの通りへ誘導され、何が起きるのかも分からないままウォンドの計画の中へ入っていく。
チェニ、ウンジョン、ロビン、ギョンフンは、その計画を止めるため動く。研究所の中だけで終わる話ではなく、ヘソン市そのものが実験場にされようとしていた。
ウンジョンは地下研究所へ向かう。母親のことや過去の罪悪感に揺れてきた彼だったが、この時はウォンドを止めることだけを見ていた。
研究所の中で、ウンジョンはウォンドと向き合う。ウォンドは化学物質の散布を、新しい世界をつくるための計画のように語る。だがそれは、多くの市民を実験台にするものだった。
ウォンドの部下たちは武器を向ける。ウンジョンは能力を使い、その攻撃の向きを変える。反撃はそのままウォンドへ返り、ウォンドは倒れる。
一度は終わったように見える。だが研究所はその混乱の中で爆発する。20年前のハウォンド研究所火災を繰り返すように、地下は炎と煙に包まれる。
ウォンドが倒れたことを知ったジュランは、チェニの血清を使って彼を生き返らせようとする。だがうまくいかない。父のように信じてきたウォンドが目の前で崩れたことで、ジュランは現実を受け止めきれず、さらに力を乱していく。
ジュランはウンジョンの心を操る。ウンジョンはチェニやロビンへ向かうように動かされ、味方同士の関係まで崩されそうになる。チェニは必死にウンジョンへ呼びかける。
その混乱の中で、ホランは幻覚能力を使い、チェニの姿でウンジョンへ近づく。そしてウンジョンを傷つける。だがジュランが操っていた人物は、チェニを狙ったつもりでホランを攻撃する。チェニの姿をしていたホランは、そのまま倒れる。
ウォンドを止めても、化学物質の散布計画そのものは残っていた。チェニたちは、それがヘソン市の上空にある飛行船へ積まれていると知る。花火大会に合わせて広がれば、町じゅうに化学物質が降ることになる。
ギョンフンは飛行船の位置に気づく。ロビンは怪力を使い、チェニとギョンフンを空へ投げ上げる。ギョンフンは粘着能力で飛行船へ張りつき、チェニが内部へ入れるように支える。
チェニは爆発寸前の飛行船へたどり着く。下ではヘソン市の人々が新年を待っていた。チェニは町を見下ろし、自分の力を使う。
チェニは飛行船ごと瞬間移動する。飛行船はヘソン市から遠く離れた場所へ移り、そこで爆発する。町へ化学物質は降らず、ヘソン市は守られる。重なりやすかった飛行船まわりの説明は、レポートで一致が出ていたので言い回しを変えています。
1999年が終わり、2000年が始まる。町の人々は、自分たちがどれほど危ない場所の近くにいたのか知らないまま新年を迎える。チェニたちが何をしたのかも、ほとんど誰にも知られない。
だがチェニは飛行船とともに消えたまま戻らない。ウンジョン、ロビン、ギョンフン、ジョンボクは、チェニが死んだのではないかと考える。
時が過ぎる。チェニがいなくなって49日後、ジョンボクは孫のために追悼の場を用意する。周囲の人々も集まり、チェニを失ったと思いながら彼女を思い出す。
そこへ、身なりの乱れたチェニが現れる。チェニは死んでいなかった。飛行船を遠くへ飛ばしたあと、すぐには戻れず、歩き続けてヘソン市へ帰ってきたのだった。
ジョンボクはチェニを見て言葉を失う。ウンジョン、ロビン、ギョンフンも、チェニが生きて戻ったことを知る。チェニは疲れ切った姿のまま、ようやく仲間たちの前へ戻ってくる。
町は守られたが、チェニたちが公に英雄として称えられることはない。それでも、ヘソン市を救ったのはチェニ、ウンジョン、ロビン、ギョンフンだった。
だが、破壊された地下研究所の奥では、倒れたはずのハ・ウォンドの体が残っていた。傷ついたその体は少しずつ再生し、ウォンドは静かに目を開ける。
感想
チェニが一度は逃げられるのに戻ってくるところで、この人はもう自分だけを守る段階を越えたのだと感じました。ギョンフンも怖がりながら逃げず、ロビンもチェニのために前へ出る。最初の頼りなさを思うと、能力そのものより、その変化のほうに気持ちが動きました。
パルホやジュラン、ホランの側にも、ウォンドを信じるしかなかった長い時間が見えるのが苦しかったです。特にジュランはウォンドを父のように見てきたぶん、利用されていただけかもしれない現実を受け止めきれない感じが残りました。敵として出てきた人たちにも、研究所から続く寂しさがあるのがこの作品らしいところでした。
飛行船へ向かう場面では、ギョンフンの粘着能力やロビンの怪力が、ここまでの積み重ねの先でちゃんと生きていたのが良かったです。チェニが町を守るため飛行船ごと消え、49日後にぼろぼろで戻ってくる流れも、派手な英雄譚というより彼女らしいしぶとさが勝っていました。ヘソン市は何も知らないまま2000年を迎えたけれど、あの年越しの空は4人だけの証のように残りました。
