キリゴ第4話・第5話は、願いをかなえるアプリの怖さが、学校の噂から過去の出来事へと広がっていきます。セアが見た赤い雨、古い家、制服姿の少女たちの気配が少しずつ結びつき、ナリの隠していた願いも表に出てくる。誰かの軽い一言や悪ふざけが、キリゴの奥にあるものを呼び起こしていきます。
キリゴ:第4話あらすじ
セアは、赤い雨が降る悪夢の中で目を覚ます。そこには深い傷を負った制服姿の少女がいて、さらに別の少女の気配まで重なり、不穏な感覚だけがはっきり残る。異界から戻ってもつながりが切れていないと知り、セアはその違和感を抱えたまま動き出す。
セアはハジュン、パンウルとともに、ヒョンウクがどこからキリゴに触れたのかを探り始める。学校の中だけを追っていても足りないと考え、今度はヒョンウクのネット上のつながりへ目を向ける。ハジュンは残された痕跡をたどり、セアは異界で見た光景を思い返しながら、その先にあるものを確かめようとする。
そうして3人は、ヒョンウクの知人の先にある古い家へ行き着く。そこは単なる空き家ではなく、もっと前から続いている何かが残る場所だった。セアは近づいただけで嫌な気配を感じ、夢に出た少女たちの影とこの家がつながっていると悟る。パンウルも軽く入っていい場所ではないと警戒するが、3人はそのまま中を探っていく。
家の中には、新しく出回ったアプリの話だけでは説明できない空気が残っていた。キリゴは誰かの悪ふざけから生まれたものではなく、もっと古い出来事と強い負の感情の上に成り立っているらしいと見えてくる。セアが異界で見た赤い携帯電話の像も、この家に残る過去と無関係ではなかった。ここで初めて、今起きている異変が昔の出来事を土台にして形を変えていると分かってくる。
ハジュンもまた、ヒョンウクの一件を最初の出来事としてではなく、この場所へつながる入口として見直す。ヒョンウクは広めた側ではなく、どこかから異変に触れさせられた可能性が高くなる。パンウルはそんな二人を見ながら、若い者たちの軽い願いの奥に、もっと重たいものが潜んでいたと改めて確かめる。
その一方で、学校や友人たちの間では別の形で空気が悪くなっていく。ヒョンウクがなぜあれほど追い詰められたのかを考える中で、ナリへ向く視線が変わり始める。ナリが何を隠しているのか、ヒョンウクへの嫌悪や冷たい態度がどこまで影響していたのかが問題になっていく。異変だけで人が崩れたのではなく、その前から積み重なっていた感情もあったと浮かび上がる。
ナリはただセアと張り合う存在では済まなくなる。ゴヌへの思い、セアへの対抗心、ヒョンウクへの拒絶が重なり、その感情がどこまで異変へ結びついていたのかが不穏に残る。セアたちが外で起源を追うほど、内側では人間関係のほころびもはっきり見えてくる。
調べを続けたセアは、あの家と過去の少女たちがキリゴの核につながっていると強く感じる。夢で見たものも、異界で見たものも、ただの幻ではなかった。現実の中に同じ影があり、そこへ手を伸ばせば異変の中心に届くかもしれない。だがそれは同時に、もっと深い場所へ踏み込むことでもあった。
こうして第4話では、キリゴが学校の中だけで広がったものではなく、古い家と過去の少女たちの出来事に根を持つ異変だと見え始める。さらにナリの中にもまだ表へ出ていない感情と秘密が残ったまま、セアたちは次の手がかりへ進もうとする。
キリゴ:第5話あらすじ
ゴヌとナリは夜の学校へ忍び込む。だがその前に、ナリの中にはずっと消えなかった夜の記憶がよみがえる。
2008年11月4日、ナリは酒に酔ったままドンジェやチェユンたちと騒いでいた。軽い気持ちでゴヌの写真を見せ、ヒョンウクが願いをかなえるアプリを信じていると笑いものにする。そこへ上級生たちの煽りまで重なり、ナリは半分ふざけたままキリゴを開く。そして、ヒョンウクとその上級生に不運が起きればいいと願いを送ってしまう。
翌朝になると、ナリはその願いをほとんど冗談のように片づけようとする。だが学校でヒョンウクの一件を目にした瞬間、その表情は変わる。さらに、自分が願いに入れた上級生まで命を落としたと知り、ナリは言葉を失う。酔った勢いで送った願いが、本当に現実につながったのではないかという思いが頭から離れなくなる。
ナリは自分の願いとヒョンウクの一件の間にあるものを確かめようとし、上級生の関係者をたどる。そこで過去の話を聞かされる。昔、ヘリョンとシウォンという少女たちの間で起きたことがあり、キリゴは最初から願いをかなえるためのものではなく、シャーマンの娘だったヘリョンを追い込むために使われたものだったかもしれないと分かってくる。
ここでナリは、今まで学校に広がっていた怪談のような話が、もっと古い悪意から始まっていたと知る。誰かをからかい、追い込み、傷つけるために使われたものが、形を変えて今のアプリになったのだと気づく。ヒョンウクの一件も、自分の軽い願いだけではなく、その奥に長く積み重なっていた不穏な流れの中にあった。
ナリはさらに、自分のタイマーが止まった理由を考え始める。ゴヌが願いを使ったことで自分のタイマーが止まり、今度はセアが願いを使ってゴヌを助けたから、ゴヌのタイマーも止まったのではないかと気づく。願いがかなえば深刻な代償が来るだけではなく、新しい願いが次の対象へ異変をずらしたり、少しだけ先へ送ったりするのではないかと考える。
ナリはそのことを仲間たちに伝えようとする。自分が何をしたのかも、どこまで関わってしまったのかも、もう隠したままではいられないと思う。だがその前に、不気味な存在が動く。セアになりすました何者かがゴヌのスマホへメッセージを送り、ナリの心へさらに疑いを流し込む。
ナリは、セアたちが本気で自分を助けようとしているのか分からなくなる。もともと抱えていた嫉妬や後ろめたさが、そのまま不信へ変わっていく。ゴヌへの思いも、セアへの対抗心も、ヒョンウクへの嫌悪も、全部が自分の首を締め始める。真相へ近づいたはずなのに、そのせいでかえって仲間たちから切り離されていく。
ヒョンウクはもういない。それでもこの回では、ナリの記憶の中で再び前に出てくる。からかわれ、嫌われ、軽く扱われていたヒョンウクに、いくつもの悪意が重なっていたことがはっきりする。異変だけで取り返しのつかないことが起きたのではなく、その前から人の感情がヒョンウクを追い詰めていたのだと見えてくる。
こうしてナリは、ただ異変に巻き込まれた側ではいられなくなる。ヒョンウクの一件の引き金を、自分でも引いてしまったかもしれないと知り、さらにキリゴの起源が昔のいじめと死者の強い思いに結びついていることまで知る。だが、その真相を仲間へ伝える前に、不気味な存在はナリの心を先に崩しにかかる。ナリはひとり取り残されたような顔で、画面の向こうを見つめる。
感想
赤い雨の夢を見たあとも、セアが現実に戻りきれていない感じが残っていて不安でした。ハジュンやパンウルとヒョンウクの痕跡を追って古い家にたどり着く流れは、アプリの画面だけを見ていた時とは怖さの種類が変わった気がします。赤い携帯電話や制服姿の少女たちが、ただの幻ではなく、ちゃんと現実のどこかに結びついているのが嫌でした。
ナリの過去が見えてくると、彼女をただ意地悪な子とは見られなくなりました。ゴヌへの思い、セアへの対抗心、ヒョンウクへの拒絶が混ざったまま、酔った勢いでキリゴに願いを送ってしまうところは、あまりにも軽くて、その軽さがかえって怖かったです。ヒョンウクを笑いものにしていた時間が、あとからナリ自身を追い込んでいくのも苦しかったですね。
ヘリョンとシウォンの名前が出てきたことで、キリゴは今の子たちだけの問題ではなくなりました。誰かをからかうために使われたものが、形を変えてセアたちのスマホに届いていると思うと、便利なアプリよりも人の悪意のほうがずっと生々しく感じます。セアになりすましたメッセージに揺れるナリの顔が、いちばん忘れにくく残りました。
