「素晴らしき新世界」第13話・第14話【最終回】では、ようやく自分の名前と今いる場所を受け止めたソリが、その直後にまた大きな選択へ追い込まれていきます。オクスンとの別れ、セゲを救うための決断、そしてムンドの行き詰まりまで重なり、長く続いてきた因縁が終わりへ向かい始めます。前世と現世を行き来しながら積み重なってきた二人の思いが、最後にようやく形になる流れでした。
素晴らしき新世界:第13話あらすじ
オクスンの店へ解体チームが押しかけるが、その場へセゲとソン室長、警察が駆けつけて止めに入る。ムンド側の人間たちは押し返され、店はどうにか守られる。だが張りつめていたソリはその場で倒れ、セゲは顔色を変えて抱き起こす。
意識を失ったソリの中で、さらに深い記憶が開く。幼いシン・ソリが車ごと水の中へ沈み、息を失いかけていた事故の場面だった。同じ水の中では、本当のカン・ダンシムもまた命の境にいた。そこで魂が入れ替わり、ダンシムの魂は20世紀へ渡り、幼いシン・ソリの魂は朝鮮時代へ流れたのだと、ソリはついに真相へたどり着く。
目を覚ましたソリは、もう自分を借り物のようには見ない。朝鮮でダンシムとして生きた時間も、今シン・ソリとして立っているこの場所も、どちらも自分の人生だった。過去に縛られ、自分を責め続けるような生き方はもうやめると決める。ここが自分の戻る場所だと受け止め、これからはただ生き延びるのではなく、セゲと一緒に年を重ねたいと願う。
そのあと二人はオクスンを見舞う。オクスンは時おり二人をはっきり認識できないままでも、いつもの調子で冗談のような言葉を返す。ソリはそんな祖母の前で、ようやく本来のシン・ソリとして立っている自分を強く意識する。笑おうとしても胸がいっぱいになり、涙をこらえきれない。
一方でセゲは、ムンドへの反撃を感情だけで終わらせない。刑事イ、ソン室長、そしてテヒとも手を組みながら、看護師の事件でムンドが関わっている可能性を外から崩していく。刑事イも動き始め、ムンドが隠してきたものに少しずつひびが入る。
テヒもここではセゲ側へ回る。彼女はジュサン市長へ空港誘致を通し、ムンドが自分の成果のように進めてきたリゾート計画を足元から揺るがしにかかる。空港が近くに来れば、高級リゾートとしての価値は下がる。投資家たちも揺れ始め、ムンドは初めて守る側へ回らされる。
看護師事件、チャイルE&Cの不正疑惑、リゾート計画の不安定さまで重なり、ムンドの周囲には一気に崩れる気配が集まる。さらにチャン理事は、ダルスが記憶喪失を装っているのではないかと告げ、ムンドは自分の足場が思っていた以上に危ういことを感じ始める。
その頃、ソリは病院でダルスと向き合う。以前ダルスから、セゲのためなら身を引けと言われたことを思い出しながらも、今回は引かない。自分はセゲを孤独にしない、そのそばにいるとまっすぐ伝える。ダルスはその言葉を聞き、権力や後継の話より、セゲに本当に必要なのはそういう相手なのだと少しずつ認め始める。
少しだけ穏やかな時間も訪れる。セゲは屋上へグランピングのような空間を用意し、ソリを連れて行く。重たいことばかり続いたあとで、二人はようやく恋人らしく並んで座る。ソリはそこで、隠さず気持ちを伝える。セゲもまた応え、どちらが先に愛していると言うのか軽く言い合いながら、二人だけの時間を過ごす。ソリが自分の名前と居場所を取り戻したからこそ、ようやく未来を言葉にできるようになる。
だがその幸せは長く続かない。オクスンの容体が急に悪くなり、集中治療室へ運ばれる。意識が戻った短い時間の中で、オクスンはもう自分が旅立つ時だと分かっているような顔をする。バスの運転手になってあちこちへ行きたかった祖母の夢を思い、ソリは涙をこらえながら、オクスンが大きなバスを走らせて海へ向かう話を聞かせる。オクスンは自分の人生は満足だったと告げ、ソリと手を握ったまま静かに息を引き取る。
その頃ムンドの側でも空気が変わっていた。買収された刑事が看護師事件が別の署へ移ったと知らせ、ムンドは裏でダルスが動いていると悟る。さらにダルスの指示を受けた運転手ソが、ムンドの息子ソジュンを連れ出す。ムンドはダルスの前へ引き出され、セゲのような孤児を狙った自分の非情さを責められるが、今度は自分の息子が巻き込まれた怒りで感情をむき出しにする。ダルスもまた、ムンドのゆがんだ執着を正面から受け止める。
オクスンを失って沈むソリを見て、セゲは何か食べさせようと外へ出る。だがその途中で男に襲われ、刃物で傷を負ってしまう。突然の知らせにソリの足元は崩れ、さっきまで見えていた未来が一瞬で遠のく。
病院でセゲの無事を祈るソリの前へ、道巫女ファン氏が現れる。彼女は、現代のセゲと前世のチョンホンの命は運命の輪でつながっていると話す。そしてその輪を断ち、セゲを救うには、ソリが朝鮮へ戻って前世の大君を救わなければならないと告げる。
だがその代償は大きい。朝鮮へ戻れば、もう21世紀へ帰れないかもしれない。ようやく本来の名前と居場所を取り戻し、セゲと未来を選ぼうとしたソリは、そのすべてを手放すかもしれない決断を突きつけられる。
素晴らしき新世界:第14話【最終回】あらすじ
ソリは、傷を負ったセゲを救うため、ついに朝鮮時代へ戻ることを選ぶ。現代へ二度と帰れないかもしれないと分かっていても、セゲを生かす道がそこしかない以上、立ち止まることはできなかった。ようやく取り戻した自分の名前も、今の時代で生きる場所も胸にしまったまま、ソリは再び前世の時間へ足を踏み入れる。
朝鮮では、イ・ヒョンが安宗の計略の中で命を狙われていた。かつて守れなかった相手を、今度こそ守るため、ソリは迷わずヒョンの前へ出る。向けられた攻撃を自分が受け止め、ヒョンをかばって矢を受ける。その瞬間、前世で繰り返されてきた悲しい流れが少しずつ崩れ始める。
矢を受けたソリは、ヒョンとともに水へ落ちる。すべてが終わったようにも見えるが、そこで止まらない。これまでセゲの命を死へ引いていた前世の因縁は、ヒョンを救ったことで書き換わり始める。前世のイ・ヒョンが死なない道が開いたことで、現代で傷を負ったセゲの命もまた助かる方向へ動き出す。
現代では、セゲが意識を取り戻す。だがソリは戻らない。命は助かっても、自分のいちばん大切な相手がそばにいない現実だけが残る。セゲは助かったことを喜ぶ間もなく、ソリのいない時間の中へ置かれる。やっと結ばれたのに、今度は自分が待つ側になる。
ソリの気配を追うように、セゲは博物館へ向かう。そこでイ・ヒョンが残した絵と向き合い、これまで断片的だった前世の記憶をはっきり取り戻していく。自分がイ・ヒョンであり、時代を越えてソリと結ばれてきたこと、そしてそのたびに失ってきたことまで胸へ押し寄せる。セゲは、今度こそまた同じ終わり方にはしたくないと強く思う。
一方、朝鮮側でも変化が起きていた。ソリが命をかけてヒョンを救ったことで、前世はただ悲劇だけを繰り返す時間ではなくなる。本来のカン・ダンシムとイ・ヒョンにも、死と後悔だけではない別の道が開いていく。長く絡まり続けてきた運命の輪が、ようやくほどけ始める。
そしてソリは、ついに現代へ戻る。長く待たされたセゲの前へ現れたソリは、もう何も言い訳しない。失うことも、待たせることも、全部越えてまたここへ戻ってきたのだと、そのままセゲを抱きしめる。セゲもまた、ようやく取り戻した相手を離さないように強く抱き返す。二人の間にあった長い時代の隔たりは、そこでようやく終わる。
現代では、ムンドの悪事も最後に崩れていく。看護師事件、会社掌握、不正工作、リゾート計画をめぐる裏の動きまで、積み重ねてきたものが一気に表へ出る。逃げ切れると思っていたムンドは、最後にはそのまま警察へ連れて行かれる。前世でも現世でも人を追い詰めてきた男は、ようやく自分の行いの前へ立たされる。
長く二人を縛ってきた悲劇が消えたあと、ソリとセゲはようやく誰にも引き裂かれない時間の中へ立つ。海辺を並んで歩きながら、今度は前世のように別れを残さない未来を選ぶ。時代を越えてすれ違い、失い、やっとここまでたどり着いた二人は、そのまま新しい時間へ進んでいく。
感想
幼いシン・ソリとカン・ダンシムの魂が水の中で入れ替わっていたと分かる場面で、これまでソリが抱えてきた罪悪感の形が変わったように見えました。借り物の人生ではなく、朝鮮で生きた時間も現代で戻る場所も全部自分のものだったと受け止める姿に、ようやくソリが自分を許せたのだと思いました。
オクスンにバスで海へ向かう話を聞かせるところも強く残ります。泣き崩れるより先に、祖母の夢をちゃんと覚えていて、最後の時間を旅立ちのように包もうとするのがソリらしかったです。そのあとセゲを救うため朝鮮へ戻る決断も、愛しているから離れるしかなかった前世の後悔を、今度は自分の手で変えに行く選択に見えました。
博物館でイ・ヒョンの記憶を取り戻すセゲと、矢を受けてもヒョンを守ろうとするソリが重なり、二人がようやく同じ場所へ戻ってきた感じがありました。海辺を並んで歩くラストには、カン・ダンシムでもありシン・ソリでもある彼女が、セゲと同じ時間を生きていける安心が残りました。
